2026年8月17日

終わりを知った少年

 答えが見えた、完璧といえる。

それは愛だった。

古代から紡がれてきた言い伝え、愛が全てだった。

思考を止めた先に愛があったとも言える。

しかし愛には当然、苦も含まれた。

私は愛が一番だと言った。

手前、愛が含む恐れに慄いた。

残虐すら包摂しそれでもなお愛が全てと言い切った。

それほどの愛を見たのか、はたまた私に貯められていた愛が枯渇したのか。両方だ。

しかし出たのだ結論が。

愛で賄えた。あの痛みもこの幸せも、あの眼差しも。

この結論、自力で辿り着いた自分が少し誇らしい。

これは決して、目で見えるものだけを見てきた人には辿り着かない世界なんだ。私は盲目か。

愛は盲目すら包含した。

放棄とも言える。何故なら愛は放棄すら包んだ。

逃げなのか、困った。困ったことに逃げることすら愛は許した。

愛が全てだった。私がいくら言葉を費やしても愛は靡かなかった。天と地、左右、愛は何処にでもいた。


確かな一つの結論だった。この先のこと少し思ってしまった。愛の先。

そこには、今は何もなかった。今は。

愛の先、今は何も、いや少し寂しかった。

愛の先、寂しさが灰色の風、薄っすら吹いてる。

これは見たくないけどみたい、ちょうどこの時期、夏から秋へ、そんな寂しさが私を困らせた。

ひどく打つ雨と息苦しい暑さ、ひとごとの災害と実は不安定な幸せ。

今の私、今の私と言える実感、ここ最近無くしてた自分、秋への変わり目が、その切なさが私に色をつけた。藍色に似た。


2026年7月24日

白い部屋、重なる影

 何が大事か、そんな事を考えることの無意味さに呆れ今は夜。

目的や情熱と向き合う必要が出てくるよ、そんな言葉を風が運んだ。

ただ優しい、ただ愛する。そこに始まりそこに尽き、もうすでに別れを告げた正解と不正解は遠くの方で後ろ姿を見せていた。

7月の息が止まる暑さ。

外では肉体労働に頭から水をかける男たち。

思考を止めて、私は弱さに尻を向けた。


人は錆びる 自転車のように、それは思考も同じようだ。

鯖の先、ひっそりと寄り添う死の香り、いよいよ。

自分に関心をもたなくなるまで、35歳の夏。

何も思わない、思えない自分が未来の霧の中垣間見えた。


2026年7月9日

黒の天井

 1秒。

1日が1秒。

細胞たちは忙しなく身体中を駆け回る。

これからくる夏は凄まじい速さで過ぎ去ってゆく。

時に意味を持たず、意味を持たせることに意味をなくし、意味を見つけたときに人は、進みだす。

人の老いに悲しみを見、自身の不甲斐なさにため息をついた。

何かいいことはないのか。

どんなことにも悩みと幸せはひっついている。

何も地面を掘らなくてもダイヤの如く光を見せる幸せは愛の形で露われる。



2026年6月11日

てっぺん

 存在感、威圧、他を圧倒する何か。

カリスマ、力、自信。

大音量で聞こえるみたい、地下深く沈ている。


ここは龍笛が高鳴り、その場全てを浄化する。

私ではない、私に重なる何者かの趣味か。

当然、菜食に偏る。


変が本質と語った手前、早速変の渦中にいる様子。

ただ先に肉体が反応し、答え合わせは後から来る。




2026年6月10日

冷たい白ワイン

困ったことに疑問すらない。

全てを放棄なんてできない。

したい欲、したくない欲、そのどちらも空回り。

水彩絵の具のように薄く頼りない欲求は油断と共に消えていく。

私の心に残るのは何か。

私はいつから本能を吐き捨て理屈の服を着たのか。

間違いや正しさもどこへ行ったのか。

何が残るのか。残ることもしないのか。

やっぱり 在る が普遍なのか。


夜10時、空を見上げると確固たる光を放つ星々は優しさと拒絶を含めた表情で私を見下ろしている。

もういっそUFOとやらに攫われてみたい。