2025年11月6日

ふてね

 少し荒い息づかい。

後退りのない関係。

手に取るとわかる滲む汗。

今までのいくつかを備えた全て。

飽くる日も離さなかったあの手。

答えのない将来。

分かりきった答え。

視界を揺らす結晶。

あなたを彩る全て。


懈怠な態度。

しつこい勧誘。

話せなかった秘密。

踏み滲んだ桜。

降り頻る雨。

ろくでもない貴方。


噛んだ爪。

剥がれた皮膚。

真っ赤な目。

滲む汗。

光る鮮血。

不揃いな僕。


汚れたテーブル。

眩しすぎる太陽。

取り戻せない時間。

解かれた呪縛。

律儀なあなた。


焦る人達。

波のような人混み。

無関心な優しさ。

座れない座席。

無機質な社会。

足掻く私。


吐露された現実。

隠された気持ち。

打ち込まれた楔。

意味を持たない夢や希望。

お前の後ろ姿。


力んだ表情。

垣間見る笑顔。

抱きしめた体。

逃したくない束縛。

蝶のようなヒト。


思い出せない記憶。

立ち止まる勇気。

いない神々。

猜疑心の塊。

わたし。







2025年11月5日

操り川のほとり

朝、不安で目が覚めます。

魂が言うのです。

それでいいの?

何がしたいの?

したいことはないの?

どうしたいの?


今の私には魂の問いに答えることができません。

魂のメッセージは肉体や精神を通して発露されます。

魂の悲痛な叫びを放っておくと

肉体が錆び、精神を病むのです。


ただここで今まで隠していたものが現れるのです。

"自己"です。己。

この 己が強く私を誘います。

焦るなと。

わたしは、

今までこの己を何度も何度も殺してきました。

幾度も殺し、殺しては殺し、主張させないように生きてきました。ここに白状します。

それは、私が私らしく生きることへの躊躇の現れでした。

決められたレールの上を走るよう、周りと違うところを治され、私も他者から殺されてここまで生きてきました。

過去は消えません。なので未来を後悔なく生きてみたいものです。

私、肉体、精神、魂、己。

以上五つが、この"存在"を形成してます。

存在が存在する意味はわかりません。

ただ存在が存在を支え、

存在が確かにここにあるのです。

川の流れに乗らされて明日もまた––。



2025年11月4日

瓶の中、悲鳴の渦

 砂のように大事な記憶が崩れ去る。

確かな愛に包まれ不自由だったあの頃、

振り返れば幸せの渦中にいた。

今は自由。

これほど冷たく、ぬるいものだとは。

行い全てが今を作り、未来への栄養剤と化す。

神など語りたくもなく、時間もなく、朝が来たら夜になっている。

こんな生活も後から見れば点数がつけられるんだろうか?

この世界、

何か努力だけでは無理で、

lackもギャンブルで、

時の瓶の底の方、

重たい低気圧で蓋をされてるよう。

上に上に行けることすら思わない、教わらない、学ばない、気付かない、隠される。

初めから決まっていたような諦観がある。

繰り返す、

いつの時代の自分も、

過去の記憶が無意識に働きかけ、自己を保っている。

すると、楽しい記憶があればあるほど、未来は明るいのでは?

少し真理に触れそうだ。

この世界、

他者に優しく、ハメを外し、したいことをし、努力も重ね、笑顔を増やし、体験を重ねれば、未来は明るいのでは??

繰り返す。

この世界。瓶底から淵に手をかけるには、楽しい思い出という階段をつくればいいのでは?

もう少し真理に。

過去の記憶が今を作り明日を描く、

楽しい経験が上への階段を作り、まだ知らない景色を見せてくれる。

階段を作る。

瓶底の底の底、

ツルツルと滑る内側に油脂の跡がベッタリと。

涙や苦悩や怒りや笑顔がぐちゃぐちゃに張り付いて、

変な色をしてる。

瓶底の底の底、

暗く薄暗く、人の目がない事をいいことに怠けすぎでは?

当然見られてるのでは?瓶の外から。

今更遅いや遅くないは語るな。

ただ一つの真実に触れたいだけ。

いつからだろう、あれが無くなったのは。

それは、ふと訪れる貴重で大事な粉雪のようなもの。

ふと私に訪れて心に働きかける。

大事にしないとと、捕まえる。

もう来ない。いつからか、もう来ない。

これからは見つけに行くのか。

感受性の一言では終わらせるな。

探るしかない私の湖底で。

そのために体験が必要ならば死に朽ち果てるまで体験しよう。

その日が来るまで、

幾つとかではない、数ではなく、

どれだけの時間を費やすではない、

時間ではない、数ではない、

心の躍動でステップを作り上へ上へ。

瓶の底から見えない淵まで。

いつか手をかけ、次の景色へ。


2025年11月3日

心の湖

 痛烈な胸の痛みも何処やら。

多幸感に包まれ、これまでの苦労は雲散霧消。

これだから人は生きていける、なにも明日への活力は必要ない。

歯を食いしばればエンドルフィンが出る。

音楽を聞けばドーパミンが出る。

今宵も心の湖に。


内省が足りない、湖に行っても私の記憶を見せられるだけで疑問が沈んでいない。

そこにはただ青い篝火。







2025年11月2日

銀縁プラスティック

丁寧に丁寧に生きている。

一つ一つを抜かりなくやり過ごす。

そうすると、

人は壊れる。

自由や傲慢を忘れるからだ。


街の雑踏の中、声に出ない叫びが世界を揺らした。

苦しさや険しさではない、自分の中で熱中できるものがないせい。

反省はいない、あるのは時間を見送る忍耐力だ。


雲間から漏れる夕陽がステージライトのよう、

私たちを救おうとしている。


じゃあどうすれば私は楽しいのか。

苦悶の私。

汚れたレンズを通し、

視界は薄っすらぼやけていた。