ゼロ。成長も下降もない、点。
悲しみや勇気もない、虚無。
どこかの扉が開くのか?
いいや、開かない。
食べて排泄、その繰り返し。
ベッドに横たわり植物と化す。
この世界、今、実に消えそうである。
欲がある。
身体が打つ無意識の鼓動。
心が触れる愛くるしい瞬間。
心体共に欲をしている。
欲がいる。
優しくされたい、優しさに戻りたい。
優しさしか取り柄がない、そんな少年に還りたい。
点である。つまり進展はない。
点から秒針を打ち、小さな小さな波を起こす。
弱々しく動くこの心臓は畑仕事の老人のよう。
欲がみたい。
欲にしがみつくあまり、禁欲に走る。
上も下もない、本当に何もない。
新境地。
欲。
欲する。
そのスイッチを入れれば明かりがつく。
欲しい。
埃被ったスイッチに被さる布。
そっと取り除く。
欲しい。
そのスイッチに触れてみる。
いいのか?
欲しい。あれが欲しい。これが欲しい。
このスイッチに今焦点を当てる。
怖い。でもこれをつけると明るくなる。
欲しい。
欲っしたことがない。願ったことがない。
欲しい。このスイッチを少し履きあげる。
回路は大丈夫か。法に触れないか。
押した瞬間、私は。
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