誰しもが忘れ去っていくもの、せわしい街の騒音や間を埋める談笑にかき消されている優しい雨。
目に見えない光の線が後になって、数年経って夜にふと映像になる。
風や霧、景色や匂い、それら全ては思い出の額縁を彩りきちんとした場所に飾られる。
不都合なものに蓋をして、タイミングを読み、場が乱れるのをいち早く察知する私は、何て優しい。
なんて優しい人。
肉体をミキサーにかけ、最後まで回したなら、液化しないでぶつぶつの、砕けた発泡スチロールの分子達が人の正体だとわかる。
一つ一つの粒に過去が宿り、それらが集まり肉体となる。
その内のたった一粒に、あなたの一粒になっているでしょうか私は。
0 件のコメント:
コメントを投稿