見ているだけで、途方に暮れる。
手を伸ばしても届かない。
はるか雲の上、夜空に混ざる無機質な星たち。
ひとつ丘に立ち、眉間に皺を寄せる。
ひたすらに念じ、てがみを送る。
雲の切れ間からいくつもの光が溢れ、消えては溢れる。
私という、無限に小さい存在をはるか彼方から認識しほんの一瞬かまってくれる。
足元のミミズが踊り狂い、脛を上るアリもいる。
いやに暖かいこの星の生き物は、絶えず絶えず生きている。
ひとつ丘に騒ぎ声。よく見るとポツポツ人がいるらしい。
さっき湧いたに違いない、現実を作るオブジェたち。
暗く冷たい雲の上、ヒトの一生じゃ辿り着けない世界たち。
そんなことはお構いなし、
足元の芝生は
踏みつけられて折れた腰を伸ばしていた。
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