耳など澄まさなくても、この世界は耳介をつんざめく音で溢れている。
外は豪雨、脱衣所ではバタフライ並の洗濯機、あらゆる電子機器のひそひそ声。
そして1番最後に心臓の音。
誰も閉めないからそのままになった扉たちは気持ちよさそうに開いている。
完璧が隠されて、半端なものだけが主張する
触れられず、埃もつかない美しさだけが隠される。
手垢のついた半端なものたちが目に入る。
耳など澄まさなくても、この世界は耳介をつんざめく音で溢れている。
外は豪雨、脱衣所ではバタフライ並の洗濯機、あらゆる電子機器のひそひそ声。
そして1番最後に心臓の音。
誰も閉めないからそのままになった扉たちは気持ちよさそうに開いている。
完璧が隠されて、半端なものだけが主張する
触れられず、埃もつかない美しさだけが隠される。
手垢のついた半端なものたちが目に入る。
見ているだけで、途方に暮れる。
手を伸ばしても届かない。
はるか雲の上、夜空に混ざる無機質な星たち。
ひとつ丘に立ち、眉間に皺を寄せる。
ひたすらに念じ、てがみを送る。
雲の切れ間からいくつもの光が溢れ、消えては溢れる。
私という、無限に小さい存在をはるか彼方から認識しほんの一瞬かまってくれる。
足元のミミズが踊り狂い、脛を上るアリもいる。
いやに暖かいこの星の生き物は、絶えず絶えず生きている。
ひとつ丘に騒ぎ声。よく見るとポツポツ人がいるらしい。
さっき湧いたに違いない、現実を作るオブジェたち。
暗く冷たい雲の上、ヒトの一生じゃ辿り着けない世界たち。
そんなことはお構いなし、
足元の芝生は
踏みつけられて折れた腰を伸ばしていた。
体にアザ。生まれる段階でハンコを押されたような気がして滅入る。陽の下で素肌が晒せず一夏の思い出は夢になる。
神の前では強がりを見せ、浅はかな男は何一つ学ばない。
連れ去られ、改造され、放たれる。
そんなことを願い、瞼を閉じる
(記憶が語るのは終わり、まだ見ぬ未来が語り始める。
その時、本当の安寧が訪れる)
僅かな希望を託し、一日をやり過ごす。
ゆっくりと見ていたいからと、再生速度を半分落としたら今まで聞いたことない音に気づいて怖くなる。
あなたのことも、じっくり見てはいけませんか。
「大切にする」とはこれではないですか。
早送りもだめでは、とっても生きづらいです。
意味を知りたいわけじゃない。本質を知りたい。
私のささくれが剥けたこの時、この瞬間までの時の経過全てが、ただの偶然の積み重ね。
ただの偶然が偶然をうみ、今の今まで偶然だけが存在していたのだ。
意味はただ私がつけたに過ぎず、本質という客観的事実を捉えない。
人はただ偶然に感謝し生きる。
数多ある感情の海は、偶然という雨が積もった自然現象。
綿よりも柔らかい布で、体の内側そっと包むとき、
欲なのか、悲鳴なのか、独り言なのか。
私から何かが現れます。
猜疑心の塊でときに、自分の存在を否定したくなります。
片方に愛を向ける時、もう片方に殺意を向けるのです。
不完全な私はそれでもまだ生きていたいようです。