2024年4月2日

穢多

 物事をすりつぶし、ぐちゃぐちゃになった底の方。

めためたに潰れたその世界、ぬちゃりぬちゃりとなり響く。

明日もなければ希望もない、上まで上がる術もない。

ドロドロになる一つ前、ざらざらとした隣組。

他人の垢に身を寄せて、違いを一つ見つけ出す。

己ひとつと思い込み、しくりしくりと泣いている。

ガガガと擦れる足の裏、ドドドと叩くビンの中。

ピクリと一つ鼻が鳴る。脳裏をくすぐる香りたつ。

ざらざらとした表面に、ぴたぴた手のひら当てている。

ガリガリ指の腹使い、ぐんぐん頭を登らせる。

数多の腕が生えてきて、わたしの服を引きちぎる。

それでも無理やり暴れれば、ようやく出会える日の光。

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