2024年10月15日

壊れた勘違い

 皮膚が老い、見ている景色、それぞれがゾウの皮膚のよう、いきものの定めで全てが歪んでいく。

刹那に生きていけたら悲しむ暇もないでしょう。

土砂降りの日曜、自転車を走らすと知らぬ他人が、

「雨の日に乗ると記憶に残る」

なんて言うものだから、今の私は傷心するのです。

気付けばもう、助けなんて求めてなくて、この箱舟に乗ってるだけ。そんな気分。

女性に香が宿り、文に懐旧が生まれる。

音に女性が宿り、私は形骸化し、これから先、記憶の積まれた貝塚はどんな景色を見せてくれるの。


2024年10月14日

宥恕

「 きっと、本当の辛さがきても、耐えられるように。」

もう、一欠片しかない記憶の端をたしかめる。

目を細め、消えていく星を眺めてる。

ここは洞窟、人の気配はなし、染みついた1人の人間の垢だけがやけに臭っている。

たまの豪雨に知らされる、外の世界の現れに、か細いリアクションを発しては煙のように霧散する。

一日というパッケージの中でいくら右往左往しようと

結局そこにリスクはなく、ただ時間を消費する。


自分の肉体が他人に見えるほど天涯孤独になったとしても、その儚さに慣れてしまうのか。

慣れてしまうのでしょう。