2024年11月28日

夜の汽笛は星の裏声

 消えていった命の数だけ雪が降る。

肉体を冷やし、ボソボソと喋る。

夜は闇、視線を隠し私が活きる。

星と私がこの世界をふたりじめ。

時を止め、訪れる静寂に耐えうる精神。

このために耐えてきた孤独。

葉っぱ一枚微動だにしないこの世界。

しんしんと冷えた空気に包まれ、

ただ愚直に夜空をみつめる。

近くで上がる花火に微塵たりとも関心がないのは

あなたが酷く輝くからです。


2024年11月27日

ジェネレーションギャップ

 他者に期待した時、私の心は欺かれる。

見返りを求める時、私の心は痛みを受ける。

期待や見返りに火をつけて燃やし今日が過ぎる。


もし平和な会話に気付いたら、心体を消耗してる証。

戒めの一つが増える、一つ覚える。


野生という名の嘘、共存という名の理想、動物たちは逞しく強く誇り高い。

ヒトより遥かに高尚で優しくて慈悲深く残酷だ。

私の命で目の前の命が救えるならどうするか。

疑問がある時点で答えがある。

私は利己的で自己中心的だ。


暗闇の中、暇を持て余し、性格診断をしても何の解決にもならない。

解決、痒いなケツ、くらいでいることが解決だ。

私が仏陀ならそう解くだろう。

街を歩けば、顔の曲がった個体が渦巻き、想像力のかけらも無い本物の獣が暴れ回る。

ストレスを日光がわりに浴びる日常、

気もそぞろ。


盲目の天使

過去を紡ぐことはとても安易で、未来を探ることはとても無意味だ。
今、というおそらく貴重な時から膨らむ光に確信し、
今、という鮮度の良い水槽を泳ぐ。
入れ替えられたばかりの水で心地いい。
私は生かされている。

真の自由など枠の外にあり、今、こそが私を生かしている。
愛を知る不準備な体たらくは、たまの神様の気まぐれに心踊らせ、その度に何かしらの反省をする。

私を知る人は、どこまでの私を知っているのだろう。
これから私を知る人に、どこまで私を見せられるだろう。
愛とは、などと微塵も疑問に思ったことがない。
いつか、私の確信を壊す日が来るのだろうか。
幸せとは、なんて考える必要すらない。
愛や幸せは初めから享受しているから。

笑っていても身体の芯から笑ってない、そんなことが増えた。
でも笑みが溢れる時、答えがわかるように嘘偽りない真理を見つける。
目に見えない世界にはいくつかの答えがあり、
モノや価値に視点を合わせてる限り、その答えには辿り着かない。
私はその答えを一つでも多く知りたい。


2024年11月24日

夜雨を愛す

 記憶は薄れ、場面は閉じて、今は過ぎ。

大きな流れに乗りながら、無意識に身を委ねる。

アスファルトの道路と境界ブロックの間に咲く、糸筋の草に私は心を奪われる。

いつの、いつの時代でも、私は意識を閉ざされる。

一生消えない孤独のシミを体に現し、ボロボロの身なりで生きている。


2024年11月7日

真冬のサーファーガール

 身体の中の歯車が一つ、

狂っていたのを知った。

動いてないだけか、

直したところで時間は戻らない。


嘘偽りない幸せに包まれて、

毎日はすぎる。


足りないものを補い、余分なものを削ぎ落とし、

過不足ない未来を夢見て。


秋は旅立ち、去り際の鱗粉は草木を赤く染める。

星が瞬き、空気が頬を切る。


こんなに綺麗なら、大事にしたい。