ドナルドをわたしに
粘ついた光が見える時、そこからが合図。
泥に足を取られ、鼻と口を塞がれ、目に砂が入る。
それでも息をする。そして手を差し伸べる。
いっそのこと、誰か私を標本に。
過去に生きるものは腐敗する。
今。この時点を生きないと何一つ解決しない。
先のことを思う必要はなく、何一つ心配はいらない。
ただ脱力すればいい。
ジャラジャラと流れる時間の川から答えが一つこぼれ落ちた。
それは光もせず暗さもなく、ただ私と共在した。
ただ私に、一見、何の変化も感じさせず、
雪のように降り積もった。
春の訪れに憂いを纏うように、徐々に上がる気温と同じように、変化を受け入れる私に怖いものはない。
はたから見れば光り輝いた二人は、心のうちを探り合い離れていく。
退屈がひしめき締まりのない生活の中、涙が流れる。
ほんとうにひとりだ
助けてください
井戸の底