日常を溶かすごとに汗を流すのは、死へ急ぐ愚かなヒトの話。
独りを願い誰もいない方向に歩き出したのは事実だが
悲しみという物質がこの空間を埋め尽くしているとは。
体験してわかることにしては身体にダメージがすぎる。
何もわかっていなかったあの頃、何もかも分かりきっていたあの頃、環境という風が自由気ままに私を運び好き勝手に流れては私を沼地に運んでいく。
無意識という足枷だけが意識を明確化する。
見知らぬ電灯が人知らず消え、あの教室のカーテンはひとりでに舞い踊る。
きっと詰まっているだろうに、記憶の砂を一つの瓶に収めては微生物一つ生きてはいないあの海へ流す。
これは海洋散骨、確かに在る意味を、誰もいない海に。